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筋トレの10回×3セットは絶対条件ではありません

筋トレで効果を出すために設定するもの

運動の効果を出すためにトレーニー(※トレーニングを実施する人)が意識して設定しなければならないものがあります。
一番スタンダードなものは
・重さ、負荷
・反復回数
・セット数
・セット間休憩時間
です。これかが間違っているとトレーニングに時間をかけても思うようなカラダに変化しなかったり、体重がうまく減らなかったりむしろ重くなったりといったことが起きます。忙しい現代人には時間を浪費することは損失なばかりかもっと効果を出すために運動を増やしすぎてオーバートレーニングや怪我の原因にもなります。

 

その中でも最もゴールデンスタンダード(標準)は

トレーニングの設定には目的別に大きく分けて3つの方法があります。
・筋力向上 90%/1RMの重さで5回前後反復
・筋肥大 80%/1RMの重さで10回前後反復
・筋持久力 65%/1RMの重さで15〜20回前後反復
※RM:最大反復回数といい例えば3RMは3回のみ反復できる回数を指します。100kgが一回挙上できる方なら90%/1RMは90kgとなります。

筋肥大の為には、「10回持ち上げることでオールアウトする重さ」に調整して、それを3セット行うということが、必要だと言われています。 (「オールアウト」というのは疲労困憊して、正しいフォームで続けることができなくなることを意味します。)
「10回×3セット」というのは、様々な研究により実証・確立されたオーソドックスな方法であるため、当ジムでも会員の皆様にはそのようにご説明しております。
実際に、これが一番効率が良い方法です。 但し、以下の理由から別のやり方でも結果を出すこともできます。 

  • 「10回持ち上げることでオールアウトする重さ」というのは結構重いのですが、「あまり重いものを持ち上げたくない」という方
  • プレートが足りない
  • 気分転換にたまには違う方法を試したい

などの場合に有効なやり方があります。

 

スタンダード以外で効果を出す方法

・1セット目:「25回持ち上げることでオールアウトする重さ」に調整する(いつもの半分程度)
・2セット目:同じ重さで行うと、おそらく10回~12回ほどでオールアウトします
・3セット目:引き続き同じ重さで行うと、おそらく8回~10回でオールアウトします

時間比較 10回×3セットの場合:合計回数は30回 低負荷の場合:45回 1.5倍の時間を要します。
重量比較 10回×3セットの場合:1回だけ持ち上げれる重さの80%の重さ 低負荷の場合:1回だけ持ち上げれる重さの30%の重さ 「10回×3セットの場合」に比べ半分以下の重要で済みます。 時間は要しますが、軽い重量でも「10回×3セットの場合」と同等の効果が得られることは、近年のAmerican Physiological Societyの研究結果によっても証明されています。 以下のグラフはその研究結果です。

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縦軸は筋肥大の量です。
・一番左:今回ご紹介した方法
・真ん中:10回×1セットの場合(10回×3セットに比べ効果が半減)
・一番右:10回×3セット
この研究結果が発表されたのは2012年のことです。 これまでも諸説の一つとして、このような考え方がありましたが、American Physiological Societyにより、 今回ご紹介した方法と「10回×3セット」で、治験者達の筋肥大の量が同等だったことが証明されました。 但し、低負荷の筋トレで筋肥大を起こすための条件は「オールアウト」するまで続けることです。

 

まとめ

これまで、低負荷トレーニングでは遅筋ばかりに効いて、速筋にはあまり効かないという説がありましたが、実は、全くそんなことはないことが証明されたのです。 オールアウトするまで続けようとすると、遅筋が先にバテてしまいます。 遅筋と速筋は同じ筋肉内にいる運命共同体なので、先に、遅筋が働くなってしまうと速筋が助っ人としてサポートに入るのです。 このことにより低負荷でも筋肥大を起こす方法がありますので、定番の方法とは別に、気分転換などで行ってみては如何でしょうか?

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。