筋トレの追い込み時に意識しておくべき大事なこと。
皆さん、ご自分の筋トレのメニューというものをお持ちかと思います。 通常、
○○を10回×3セット などの構成が一般的でしょうか。 この、あらかじめ決めたメニューをこなそうとする時、どのような心構えでしょうか? 「前回は最後のセットが8回までしかできなかったけど、今日はなんとしても10回やるぞ」 といった心境でしょうか。 このメニューをこなすということにおいて、意識しておくべき大事なことがあります。 例えば、「今から、懸垂10回×3セットするぞ」と決めました。 1セット目:順調にできました。 2セット目:1セット目の疲れもありましたが、なんとか10回できました。 3セット目は、それまでのの疲れもあり、5回したところでかなり辛くなってきました。 そこで、どのような行動をされるでしょうか? なんとしても、10回完了させたいという思いから、体の上下の動きに勢いをつけて、少し速いペースになるのではないでしょうか。 そのような動きの場合、筋肉への負担が小さい為、筋肉に前のセットまでの疲れが残った状態でも、少し楽にこなすことができます。 力が及びそうにないときに、勢いをつけるということは、人間の行動として、当然の動きです。 しかし、このような動きはチーティングと呼ばれ、楽になった分だけ筋肉には効いていません。 そのような時は、今一度筋トレの目的について考えてみて下さい。 筋トレの目的は、筋肉をつけることで、「10回×3セット」というのはその手段です。 上記の例は「手段」が「目的」に入れ替ってしまった例です。 もちろん、「目的」に達成する為には、その為の「手段」をこなすことが必要で、 その「手段」をこなしている最中には、その「手段」が一時的な「目標」となります。 しかし、その一時的な「目標」(=実は手段)に囚われすぎて、本来の「目標」を達成する上で、背反することをしてはいけません。 実はこれは筋トレに限らず、日常のすべての事柄についていえます。 例えば、仕事をするのは文化的な生活を送るという目的を達成する為の手段であり、仕事そのものが目的ではありません。 英語を勉強するのも手段であって、目的ではありません。 筋トレの追い込みの最中では肉体的にも極限の状態なので、これを明確にするのは容易な事ではありませんが、意識しておく必要はあります。 そのようなことを考えると、筋トレとは筋肉だけではなく、精神の鍛練としても非常に有用な機会なのです。

この記事の監修者

小津間勇二
ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。