ジム開業にあたってのトレーニング器具の選び方やレイアウト


ジムの開業を考えている場合、どのようなトレーニング器具を導入するべきか、どのようなレイアウトにするべきか悩む方も多いでしょう。

重要なポイントを押さえてレイアウトできれば、限られたマシンの種類・数でも、オーナー・利用者ともに納得できるジム作りは十分可能です。
器具選び・レイアウトのポイントをはじめ、おすすめの器具、より質の高いジムを作るための器具選びのポイントもご紹介していきます。


ジムの器具選び・レイアウトのポイント

ジムで使用する器具選び・レイアウトのポイントとして、以下があげられます。


ジムのユーザーと利用目的

対象者を明確にしないと、ジム作りを行うことはできません。
男女比・年齢層・トレーニング歴など、どの層をターゲットとするかで、導入するマシンの種類も異なりますし、個々でジムを利用する目的も異なります。
まずはターゲット層・利用者の利用目的を明確にしましょう。


利用人数

海外のジムと比較して日本のジムは小規模なジムが多いため、最大何人まで利用可能なのか、スペースを有効活用するために利用人数を設定した上で検討する必要があります。
設定人数に応じて必要なマシンの種類・数・レイアウトも異なります
利用者の待ち時間が長くならないよう、快適に使えるようなジムを作るシュミレーションを行いましょう。

例えば、スペースが狭い場合、ストレングスマシンと呼ばれる特定の動きしかできないマシンの数は減らし、パワーラックなど応用度の高いマシンをメインに導入することがおすすめです。
トレーニングスペースも明確になるため、安全性も確保できます。


安全性

最も重要なポイントは、安全性です。
利用者に怪我をさせてしまったり、利用者同士でトラブルがないよう、安全面には最大の配慮をはかりましょう。

パワーラック・フリーウエイトエリアは特に大きな事故が起こりやすいエリアです。
パワーラックエリアでは最重量のウエイトを扱うため、怪我のリスクも高まりますし、バーベルのウエイトを付け外しする際に周りの人と接触する可能性もあります。
なるべく人の行き来が少ない、フロアの奥や端に設置しましょう。

また、ダンベルを使用する際も同様です。比較的トレーニングに熟練した方が利用するケースが多いため、ウエイトも重いものを使用したり、様々な動作を取り入れたりする方もいます。
トレーニング中に接触しない十分なスペースを確保しましょう。


空間確保

効率よく、安全性の高い空間を確保することも重要です。


導線

人の出入りが多いエリアは広めに、奥に行くにしたがって狭くしていくことが基本です。
また、上半身のマシン、下半身のマシンなど、ある程度似た種類のマシンをまとめて設置することで移動を最小限に抑えることも可能です。
そして、先ほどもお伝えしましたが、フリーウエイトエリアは必ずフロアの奥や端といった人の行き来が少ない場所に設置するようにしてください。

様々な使い方ができるスミスマシンなどは、想定よりも使用スペースが広くなってしまい導線が狭くなってしまうことも考えられます。
使用用途が多いマシンについても、どういった使い方ができるかを想定した上で導線を確保しておきましょう。

高さ

物件選びから気をつけて欲しいポイントが、高さです。
高さを変更することは難しいため、トレーニングジムとして十分な高さがある物件かどうかは必ず確認しましょう。

プレートの付け外しを行うスペース

バーベルやダンベルを使用するエリアでは、プレートの付け外しを行うスペースを十分に考慮する必要があります。
スペースが狭く、順番を待たなくては付け替えることができないようなレイアウトであれば、怪我や事故に繋がる可能性も十分に考えられます。

衛生面

ジムという環境から、衛生面の管理も重要です。
窓を潰さないようにするなど、換気効率のよい環境づくりを意識しましょう。
また、今日では特に感染症対策も重要となります。お客様自身に感染対策をしてもらう場合などは、その点も配慮した上でレイアウトや導線を考えましょう。


荷重計算

新しい場所でジムをオープンさせる場合、特に荷重計算が必要になります。
耐荷重量とマシンの重さを把握した上で物件を選ぶようにしましょう。

事前にジムとして使用することを、不動産業者に相談することも重要です。
その上で、1階のフロアを借りる、なるべく新しい物件を選ぶ、マシンのレイアウトを工夫するなど、対策を行いましょう。


購入費用

購入予算に応じてマシンも選ばなければいけません。
同じ機能を持つマシンでも、物によって金額は様々です。
高価なマシンであれば必ず質が高いというわけではありませんが、安価なものは破損しやすかったり、使いづらいケースも多いです。
値段だけを見ず、使用感を必ず確認してから購入を検討しましょう。

また、中古のマシンを購入する選択肢もあります。
マシンの状態をしっかりと確認した上で、中古品を検討するのもよいでしょう。
ただし、中古品を使用する際は頻繁にメンテナンスをしなくてはならないケースも多いため、メンテナンスの知識を身につけておくことも必要です。


おすすめのトレーニング器具

「これだけは設置したい」という、外すことのできないトレーニング器具についても見ていきましょう。

パワーラック

パワーラックはぜひ導入して欲しいマシンです。
使用用途が多岐に渡るマシンで、全身の大きな筋肉に対して、その人にあった荷重で負荷を加えることが可能です。

パワーラックにも様々な種類があり、チンニングバーがあるものやラットプルダウンができるものもあります。
どのような機能を持ち合わせているか、確認の上で導入するパワーラックを検討しましょう。


ベンチ・アジャスタブルベンチ

フリーウエイトエリアに欠かせないものが、ベンチです。
下半身・上半身のトレーニングともに、様々なトレーニングで活用できるため、こちらも必ず導入したいアイテムです。

アジャスタブルベンチは通常のベンチと異なり、背中の角度を調節することが可能です。
バーベルトレーニングでもより幅広いトレーニングが可能となり、トレーニング熟練者の方にはニーズが高いアイテムといえるでしょう。
通常のベンチに加えて、ダンベルエリアに加えたいアイテムです。


バーベル・ダンベル

バーベル・ダンベルも必ず用意しましょう。
ダンベルについては、ウォーミングアップなどで使用も可能なので、1・2kgの軽いものから、重いものまで可能な限り幅広く用意しましょう。
バーベルについてはカラー、ベンチについてはセーフティーバーも設置し、安全性もしっかりと確保しましょう。


ミラー

自身のトレーニングフォームをチェックすることは、トレーニングの質にも大きく関係します。
特にフリーウエイトはフォーム次第でトレーニングの効果が大きく変わるため、ミラーを設置して常にフォームを確認できる環境を作りましょう。


ストレッチ・トレーニングエリア

怪我を防止するため、トレーニングの質を高めるため、またコンディショニングのためにもストレッチエリアは確保しましょう。
利用者同士で怪我や事故がないよう十分注意が必要ではありますが、トレーニングもできるマットを使用しストレッチエリアと兼用することで、マット上で簡単なトレーニングも可能となります。


より質の高いジムを作るための器具選びのポイント


より質の高いジムを作るための、器具選びのポイントも押さえましょう。


有酸素マシンの有無

有酸素マシンは、ストレングスマシンやフリーウエイトマシンで代用することができません。
どのような方向性のジムを作るかにもよりますが、有酸素マシンを導入するか、導入するのであればどのアイテムを導入するかは事前に検討しておきましょう。

マシンのメーカー

特にストレングスマシンはメーカーによって特徴が大きく異なります
一言でラットプルダウンと言っても、負荷のかかるタイミングが調節できたり、グリップの形状が異なったり、メーカーによって様々です。
統一性を重視して、全て同じメーカーを導入したいという方もいると思いますが、マシンによって異なるメーカーを導入することでより理想とするトレーニングを提供できる可能性もあります。
メーカーによるマシンの特徴を考慮した上で考えるようにしましょう。


アタッチメント・トレーニング小物

アタッチメントやトレーニングで使う小物についても、どういったものを導入するかよく検討しましょう。
トレーニングに熟練した方であれば、アタッチメントの豊富さがジムの魅力に繋がる可能性もあります。
また、トレーニング初心者だからこそ、幅広いアタッチメントがあることでトレーニングのしやすさに繋がることも考えられます。

さらに、トレーニングで使える小物も用意しておくことで、マシンではできないトレーニングも行うことが可能となるため、小物類についてもどういったものを導入するべきかよく考えましょう。


まとめ

ジム開業にあたって、トレーニング器具・レイアウトを決めるポイントについてご紹介してきました。

利用者の方が安全・安心に使用できるジムスペースはもちろんですが、ジムを経営する上ではターゲットを明確にした上で導入するマシンを検討し、レイアウトを考える必要があります。

また、マシンの数が少なくても必要なマシンがしっかりと選定できていれば問題ありません
重要なポイントをしっかりと押さえ、オーナーも利用者も満足できるジムを作りましょう。

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