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ダイエット、筋肥大、姿勢改善目的に効果的なセットの組み方とは?

トレーニングを行う目的は、

「スムーズに体脂肪を減らしてスリムな体型にしたい」

「効率的に筋肉を大きくしたい」

など、人それぞれでしょう。

しかし、ただ単にトレーニングするだけでは、狙った効果は期待できません。

そこで今回は、【ダイエット】【筋肥大】【姿勢改善】のそれぞれの場合において強化したい筋肉セットの組み方に関する基本的な考え方について解説していきます。

ダイエット目的

まずは、体脂肪を減らしてきれいなボディラインを作るダイエット目的の場合に鍛える筋肉やセットの組み方について説明します。

基礎代謝を上げる筋肉を強化する

ダイエットで効率的に体脂肪を減らすためには、基礎代謝量を増やすことが重要です。

エネルギー消費量は脳や内臓で多く、骨格筋での消費量は全体の約20%しかありません。しかし、骨格筋は基礎代謝量を調整しやすく、血流や体温調整にも関わるため、積極的に鍛えたい部分です。

この骨格筋の量を増やすためには、基礎代謝と関係の深い筋肉を重点的に鍛える必要があります。大胸筋や広背筋、そして足全体の筋肉のような、体の中で大きな筋肉を持つ部位です。

中でも、お尻にある大殿筋を含む大腿四頭筋やハムストリング、ヒラメ筋などは、全身の筋肉量の約70%を占めます。そのため、ダイエットには下半身を中心とした筋力トレーニングがおすすめと言えるでしょう。

スレンダーに見えるポイントとなる筋肉を強化する

ダイエット目的の場合は、基礎代謝量の増加に加え、体のラインをシャープに見せることができる筋肉を強化することも大切です。

たとえば、お腹まわりや背中、お尻、内もも、二の腕などにある筋肉です。これらの筋は露出する部分や洋服に関わらず体のラインを強調しやすい部位に相当しますので鍛えることでカラダの見た目をシャープに見せることができます。他のトレーニングと同様、正確なフォームでトレーニングしないと効果的に鍛えることができません。

また、間違った方法でのトレーニングは、シルエットを重視したいにも関わらず、ムキムキの体つきになる可能性があります。そのため、トレーニングの際は適切な指導を受けることが必要です。

軽めのウエイトで高回数行う

ダイエット目的でトレーニングする際は、軽めのウエイトで高回数行うセットを組む必要があります。ダイエットでは、持久力に必要な遅筋をターゲットにするためです。

20~30回できるほど低い負荷にすると、筋肉を太くする速筋がほとんど動員されません。そのため、筋肉でボコボコとしたボディラインにならず、なめらかなシルエットにすることができます。

また、高回数のトレーニングで筋密度自体は高くなるため、太りにくい体を作ることができます。

筋肥大目的

 

次に、筋肉を大きくする筋肥大が目的の場合の鍛える筋肉やセットの組み方について説明します。

BIG3を中心に鍛える

筋肥大が目的の場合は、まずはBIG3を中心に鍛えましょう。BIG3とは、ベンチプレス、スクワット、そしてデッドリフトの3種目のことです。それぞれ、胸、脚、背中の大きな筋肉をターゲットにしています。

たとえばベンチプレスの場合、鍛えられる筋肉は大胸筋だけではありません。フリーウエイトトレーングに分類され、正しいフォームを遂行するためには上腕三頭筋や三角筋など腕や肩の筋肉を総動員します。これは非常に効果が高いが経験を有するためパーソナルトレーナーをつけ、最初はフォームを指導してもらうとより効率的でしょう。

複数の筋肉を同時に強化できる他、バランスの良い筋肉をつくることができます。また、少ない種目数で集中力も維持できるため、高い筋肥大効果が期待できるでしょう。

多関節種目から単関節種目へ

筋肥大目的では、多関節(複関節)種目、単関節種目の順序でトレーニングすることが大切です。

多関節種目とは、複数の関節を使ったトレーニング種目のことを言います。前述したBIG3は多関節種目です。

一方、単関節種目とは、1つの関節を使ったトレーニング種目です。例えば、アームカールやレッグエクステンションのような種目を指します。

多関節種目の後に単関節種目を行う理由は、単関節種目を先に行ってしまうと、多関節種目でターゲットにした大きな筋肉を十分に追い込めず、効果的な筋肥大ができないためです。

また、筋肉グループでも筋肉の強さが異なるため、注意しましょう。比較すると、下半身がもっとも強く、次いで背筋、そして大胸筋の順となります。

そのため、一日の中で複数の種目をこなす場合は、トレーニングの順番にも気をつけてください。スクワットのような下半身の多関節種目からはじめ、背中の多関節種目、胸の多関節種目、下半身の単関節種目…と、各筋肉をしっかり追い込める順番でトレーニングを行うことが大切です。

トレーニング初級者は、中級者以上のように全身の筋肉を分割して鍛えるスプリットトレーニングを行わないことも少なくありません。そのため、トレーニング順を間違えると筋肥大の効率が悪くなるため注意しましょう。

重いウエイトで低回数行う

効率的な筋肥大のためには、高重量・低回数でトレーニングを行うことが大切です。この時、適切なウエイトを設定する必要があります。1セット2~3回しかできない高重量の場合、筋力アップはできても筋肥大には効果的ではないためです。

筋肥大に有効な重量は、最大重量の約80%で8~12回が目安です。ただし、オーバートレーニング防止のため、セット数が多くならないように注意しましょう。

また、筋肥大目的では、ダイエット目的以上にフォームがたいへん重要になります。効率的な筋肥大だけでなくケガ防止のためにも、正確な姿勢やフォームを心がけましょう。

姿勢改善目的

 

最後に、姿勢改善が目的の場合に鍛える筋肉やセットの組み方について説明します。

抗重力筋を中心に鍛える

姿勢改善のためには、抗重力筋を中心に鍛えることが大切です。抗重力筋は体のバランスを維持するための筋肉で、重力に対抗して働く特徴があります。正しい姿勢を維持するためには、この抗重力筋がある背中やお腹まわり、お尻、太ももを鍛える必要があります。

猫背や片方の肩が下がるなどの姿勢の悪化は、抗重力筋の筋力や柔軟性の低下、バランスの悪化が原因になるケースが多いです。

たとえば、太ももの大腿四頭筋は、普段からよく使う筋肉のため筋力自体弱くなることは多くありません。しかし、柔軟性は低下しやすい傾向にあるため、腰痛や骨盤の前傾から姿勢悪化につながることもあります。

また、背中の脊柱起立筋は腹筋と拮抗する筋肉のため、姿勢改善には両筋肉のバランスが重要になります。

この他にも、肩まわりの筋肉の凝りや肩甲骨の動きの悪化なども姿勢が崩れる原因になるため、姿勢改善には総合的なトレーニングやメンテナンスが必要になります。

低負荷で高回数行う

姿勢改善が目的の場合は、ダイエット目的と同様に低負荷・高回数のトレーニングが基本です。筋肥大目的のように筋肉自体を大きく発達させる必要はなく、バランスや柔軟性が重要なためです。

そのため、抗重力筋のトレーニングに加え、低負荷でも関節を大きくつかう(関節可動域を大きく使う)トレーニングをすることでストレッチ効果も得ることができます。逆に言えば負荷を重く設定しすぎるとストレッチ効果と関節可動域が狭くなるのであえて少~中程度の負荷を選択するようにしましょう

また、姿勢やバランスの確認のため、トレーニングの際はパーソナルトレーニングのようにプロフェッショナルの目線で第三者から見てもらうことも大切です。

体勢をキープする種目を取り入れる

体勢をキープする体幹トレーニングを取り入れることも、姿勢改善には効果的です。

たとえば、プランクのように体幹をまっすぐに維持する種目などがおすすめです。理想的な背中のラインにするために重要な脊柱起立筋や体幹の強化に加え、骨盤矯正効果も期待できるためです。

体幹の強化はバランス感覚の強化になるため、猫背や反り腰対策につながります。また、骨盤のゆがみも姿勢悪化の原因になるため、骨盤を矯正することは姿勢改善に効果的でしょう。

まとめ

ダイエットと筋肥大、そして姿勢改善それぞれに関して、鍛える筋肉や基本的なセットの組み方について解説してきました。一言で筋力トレーニングと言っても、目的によってターゲットとなる筋肉や回数などが異なることに注意してください。

また、負荷はもちろん、種目やフォームなど適切なやり方でトレーニングしなければ、狙った効果を得られないことにも気をつけてください。正しいトレーニングを続ければ、目的に応じた体の変化が実感できるでしょう。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。