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マスク着用トレーニングの効果とリスク

 

新型コロナウイルスの影響でマスクを着用しながら運動している人が増えています。

マスクの着用は厚生労働省からも推奨されており、感染防止に効果が期待できます。しかし呼吸が苦しくなるため、トレーニングの際は注意が必要な点も少なくありません。

そこで今回は、マスクを着用してトレーニングを行う際の効果とリスク、おすすめのトレーニング方法について解説していきます。

マスク着用トレーニングは効果的か

マスク着用トレーニングは効果的か

まずは、マスク着用トレーニングの効果について説明します。

高山トレーニングの代用になるか

マスクを着用した状態で運動すると、吸い込める空気の量が少なくなることで息が苦しくなります。そのため、高山トレーニング(低酸素トレーニング)の代用になるか期待している人は少なくありません。

しかし、マスクをしても高山トレーニングと同等の効果を得ることはできません。吸い込む空気の量は少なくなっても、酸素濃度自体が低くなるわけではないためです。

ただし、次のようなメリットも発生します。

酸素濃度に変化はなく呼吸器系の効率化が望める

マスクを着用してトレーニングすることで、呼吸器系の効率化が期待できます。

マスクを外した状態での呼吸に比べ、マスクを着けると吸気抵抗が増加するため、吸い込める空気の量が少なくなります。その結果、酸素濃度が変わらなくとも、体内に取り込める酸素量が少なくなります。

その酸素量の低下を補うため、より多くの空気を吸い込もうと呼吸器系の稼働率が高くなります。具体的には、肺や横隔膜の働きが増加します。

呼吸器系が強化されると、一度の呼吸で取り込める空気の量が増えることにつながるため、呼吸筋の強化や持久力アップが期待できます。ジョギングなど軽い運動はもちろん、持久力を必要とするスポーツの土台づくりに役立つでしょう。

マスク着用トレーニングのリスクは?

マスク着用トレーニングのリスクは?

マスク着用トレーニングには、次のようなリスクがあるため注意が必要です。

熱中症になる可能性

暑い季節に行うトレーニングの場合、マスクの着用が熱中症の原因になることがあります。

マスク自体の保温効果によって口元から体温が逃げにくくなるだけではありません。呼吸を抑制されることで気化熱の発散が、また口元の血管が拡張することでの熱放散が阻害されるためです。

マスクの形状によっては、首筋までマスクに覆われて熱がよりこもりやすくなるため注意しなければいけません。そのため、熱中症対策をしっかりとることをおすすめします。

まず、適度にマスクを外すこと。休憩時間だけマスクを外すなどして、定期的に体から熱を逃してやりましょう。

次に、水分を補給することも重要です。普段のトレーニング時よりも水を飲む頻度を高くすることで、熱中症予防ができます。

心肺への負荷が高くなる

マスクによって呼吸が妨げられると、呼吸器系が強化されるメリットはありますが、心肺への負荷が高くなるデメリットも生まれます。心肺に重大なダメージを与えないようにするために、トレーニング初心者は呼吸の様子を見ながら強度を調整することをおすすめします。

トレーニング中級者以上の場合でも、強度の高いトレーニングには注意しなければいけません。トレーニングに集中して、気づかないうちに心肺への負担が増加している可能性があるためです。

対策としては、運動強度を下げること以外にも、熱中症対策と同様に適度にマスクを外したり水分補給したりすることをおすすめします。体内の水分が少ない状態でのトレーニングは、心肺により大きな負担がかかるため注意してください。

パフォーマンスの低下

マスク着用トレーニングは、普段の運動時に着けないマスクを着けることでトレーニングへの集中力が低下し、パフォーマンスの悪化につながる恐れがあります。

また、適度な運動強度で行わない場合もパフォーマンスを低下させることにつながります。

トレーニング強度が高い場合、前述したように心肺への負担が増加します。その結果「呼吸が乱れる」「十分な酸素が取り込めない」などが起き、運動パフォーマンスが低下してしまいます。

反対にトレーニング強度が低い場合は、心肺への影響は少なくなります。しかし、マスクを外して行うトレーニングと負担がほとんど変わらないため、マスク着用トレーニングの意味は感じられないでしょう。

そのため、マスクを着用する場合には運動強度を適切に調整することをおすすめします。

マスク着用トレーニングを行うなら

マスク着用トレーニングを行うなら

マスク着用トレーニングを行う場合、次のようにデメリットを排除してメリットを活かすような方法でトレーニングを行いましょう。

中程度の強度で心肺機能強化に期待

マスク着用トレーニングを行う際の強度は、中程度がおすすめです。そうすることで、初心者でもリスクを抑えながら心肺機能の強化が期待できるためです。

中強度とは、最大酸素摂取量の50%程度を指します。

例えば、安静時心拍数が70拍/分で年齢が30歳の場合、最大心拍数は220から年齢の30を引いた190拍/分となります。さらに最大心拍数から安静時心拍数を引いた数字を50%(中強度の増加分)にし、安静時心拍数を足すことで中強度の心拍数の目安となります。

つまり(190-70)×50%=60に安静時心拍数の70を足した130拍/分が中程度の強度となります。

なお、心拍数は運動後すぐに測りましょう。脈拍が中強度の心拍数より大幅に多い、または少ない場合は、取り扱う重量や回数を変えるようにしてください。

 

ハコジムならwithコロナでもマスクは不要

ハコジムならwithコロナでもマスクは不要

新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクは手放せないものとなりました。トレーニング時にもマスクを着用することは、感染防止につながります。

しかし、一般のスポーツジムでは大勢の人に混じってトレーニングを行うため、マスクをしていても不安に感じる人は多いでしょう。その点、ハコジムの場合は完全個室ジムのため、他人と接触することはなく飛沫を吸い込む心配もありません。

ただトレーニング器具は共有するため、ハコジムでは様々な対策がとられています。アルコール消毒や空気清浄機の常時稼働、ルーム内の換気などです。

そのため、マスクを着用して心肺機能を強化するトレーニングはもちろん、マスクを着用しないで普段のペースでトレーニングを行うことができます。

まとめ

マスク着用トレーニングの効果やリスク、おすすめの運動方法について解説してきました。

マスクを着けても酸素濃度は変わらないため、高山トレーニングの代用はできません。しかし、心肺機能を強化することにつながるため、マスクを外してトレーニングする際のパフォーマンス向上が期待できます。

ただし、心肺への負担が増えるリスクもあるためトレーニング時には運動強度に注意しましょう。
また人混み以外で、安全が確保できる環境ではマスク内の熱を逃がすようこまめにマスクを外すマスク休憩や水分補給を行いましょう。

また、新型コロナウイルスなどの感染症予防でマスクを手放せない状態でも、普段どおりにマスクなしでトレーニングしたい人は少なくないでしょう。この場合、完全個室になっているハコジムがおすすめです。

ぜひあなたのスタイルに合った方法でトレーニングを続けてください。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。