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バランスパッドとは?トレーニングメニューや注意点を解説

日常生活をはじめ、姿勢改善や筋力トレーニング、スポーツなどでも「体幹のバランス力」はたいへん重要です。

しかし、バランス力を効果的に鍛えることができる方法は決して多くありません。そこでおすすめするアイテムが「バランスパッド」です。

今回は、バランスパッドの特徴やトレーニングメニュー、使用する際の注意点などについて解説していきます。

バランスパッドとは

バランスパッドとは

バランスパッドとは、弾力性のない柔らかい素材でできた厚いマット状のトレーニング器具のことを言います。上に乗ると素材の影響で、何枚も重ねたクッションの上に乗るように、重心が不安定になるのが大きな特徴です。

空気を入れて使用する半球状やディスク状のパッドもありますが、いずれも乗ることで不安定になる特徴はマット状のものと同様です。

バランスパッドを活用することで姿勢を安定させるための動作をするため、体幹の筋力やバランス力を鍛えることができます。その結果、トレーニング時やスポーツでのフォームをより安定させることができる他、バランスが崩れた際に元に戻す力も強化することができるでしょう。

また、筋肉と神経の結びつきがスムーズになるため、全体的なパワーや柔軟性の向上も見込めます。

大きさも30~40cm四方のものが多く場所をとりません。そのため場所を問わず使用でき、自主トレにも向いているでしょう。

バランスパッドを使ったトレーニングメニュー

バランスパッドを使ったトレーニングメニュー

ここでは、バランスパッドを使ったトレーニングメニューについて紹介します。

シングルレッグバランス

「シングルレッグバランス」は、バランスパッドに乗り片足立ちの状態を維持するトレーニングです。たいへんシンプルな方法ですが、初心者やバランス力の弱い人は十分に効果が期待できる方法です。

シングルレッグバランスは、次の手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの上に両足を揃えて直立する
  2. 右足を上げる(この時、右ひざが腰の高さになるまで上げる)
  3. 10~30秒キープする

左足も同様に行いましょう。

まずは、10秒維持できるように腕でバランスをとりながら行ってください。慣れてきたら時間を延ばして、腕を動かさずに30秒キープできるようにしましょう。

応用として、片腕を上げるやり方があります。右足を上げると同時に左腕を左方向に真っ直ぐ伸ばしてください。

そうすることで重心の位置が変わるため、違った刺激が得られるでしょう。

レッグスイング

「レッグスイング」は、片足立ちの状態から足を前後左右に揺らすことで重心を不安定化させ、より強いバランス力をつけるためのトレーニング法です。シングルレッグバランスを安定してこなせるようになったら、挑戦してみましょう。

レッグスイングは次の手順で行ってください。

  1. バランスパッドの上に乗り足を揃えて直立する
  2. 手を腰に当てるか腕を横に広げて上半身を安定させる
  3. 右足を真っ直ぐ前方に振り上げる
  4. 右足を下ろし真っ直ぐ後方に引き上げる
  5. 10~15回繰り返す

左足も同様に行ってください。

まずは軽く振り上げるところからはじめましょう。慣れてきたら足を上げる高さをひざ、太ももと徐々に高くしていってください。

前後ではなく横にスイングするパターンもあります。これは、片足を外側に上げてゆっくり戻す動作を繰り返すトレーニングです。

回数や高さは前後に引き上げるレッグスイングと同様です。

レッグサークル

「レッグサークル」は、円を描くように足を動かすトレーニング法です。レッグスイングよりもさらに不安定化するため、さらに高いバランス強化が狙えます。

レッグサークルは次のような手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの上に両足を揃えて直立する
  2. 手を腰に当てるか腕を横に広げて上半身を安定させる
  3. 右足を前方に振り上げる(高さは10~20cm程度)
  4. 右足を後方に向かって時計回りに円を描きながら移動させてから元に戻す
  5. 10~15回繰り返す

左足も同様に行いましょう。

足を高く上げるほど、より高いバランス力が必要になります。トレーニングに慣れるにつれ、徐々に高くしていきましょう。

スクワット

バランスパッドを使った「スクワット」のメリットは、バランス能力の強化だけではありません。動作に不安定さが加わるため、通常のスクワットに比べて全身のより多くの、またより細かい筋肉を鍛えることができます。

スクワットは次の手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの上に足幅がやや開いた状態で直立する
  2. 両腕を少し上げて上半身を安定させる
  3. 太ももが床と平行になる程度までゆっくり腰を落として元に戻す
  4. 10~15回繰り返す

バランスパッド1個では足がはみ出してしまう場合や足幅を広くして内転筋を鍛えたい場合などは、バランスパッドを2個用意し、それぞれに足を乗せるやり方もあります。また、ダンベルを持つことで負荷を上げることができます。

フロントランジ

「フロントランジ」は、バランス力と同時に太ももやお尻、体幹の筋肉を鍛えることができるトレーニングです。不安定さが増すことで、股関節や骨盤周辺の筋肉も活発に使われます。

フロントランジは次の手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの後方に直立し手を腰に当てる
  2. 右足を一歩前に踏み出しバランスパッドの上に右足を乗せる
  3. 左膝が床に接する直前まで腰を落とす
  4. 右足でバランスパッドを蹴り元の体勢に戻す

この動作を左右交互に10~15回行いましょう。

バランスをとるのが難しい場合は、あまり腰を落とさないで行ってみてください。

ランジホールド

「ランジホールド」は、フロントランジのように一歩前に踏み出さず、その場で上体を上下させるトレーニングです。

ランジホールドは次の手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの後方に直立し手を腰に当てる
  2. 一歩前に出した右足をバランスパッドに乗せた状態にする
  3. その場で左膝が床につく直前まで腰を落とし元に戻す
  4. 10~15回繰り返す

左足も同様に行ってください。なお、手は腰に当てておきましょう。

ランジホールドでは、バランスパッドを2個用意して前後の足をバランスパッドに乗せるやり方もあります。不安定性が高くなり体幹への負荷が増えるため、通常のランジホールドに慣れたら挑戦してみましょう。

サイドランジ

「サイドランジ」は、足を横方向に踏み出すことでバランス力強化に加え、股関節のストレッチと同時に太ももの外側の筋肉を鍛えることができるトレーニングです。

サイドランジは次の手順で行いましょう。

  1. バランスパッドの左側に直立し手を腰に当てる
  2. 右足を一歩右に踏み出しバランスパッドの上に乗せる
  3. その場で右膝を曲げながら腰を落とし股関節を十分にストレッチさせてから元に戻す
  4. 10~15回繰り返す

左足も同様に行ってください。まずは浅く腰を落とすところからはじめ、徐々に深く下ろすようにしましょう。

スケーターランジ

バランスパッドを使った「スケーターランジ」は、スピードスケート選手のような体勢で行うトレーニング法です。片方の太ももに負荷をかけ続けるため、たいへん強度の高い特徴があります。

スケーターランジは次の手順で行いましょう。

  1. 右足を一歩前に踏み出しバランスパッドの上に乗せる
  2. 右膝を曲げて腰を落とし前傾姿勢になる
  3. 腰の高さを維持したまま左足で床を蹴り右足を超えて前に踏み出す
  4. 左足で床を蹴って元に位置に戻す
  5. 10~15回繰り返す

反対の足も同様に行ってください。なお、腕はバランスをとりやすいように適時動かしましょう。

スケーターランジは、バランス力だけでなく十分な筋力も必要です。そのため、フロントランジやランジホールドなどに慣れたら、また筋力ついたら行ってください。

バランスパッドを使用する際の注意点

バランスパッドを使用する際の注意点

バランスパッドを使用する際は、次のような注意点があります。

フォームをチェックしてから使用する

地面の上でできるトレーニングにバランスパッドを加えることで、バランス力や体幹の筋力向上などが見込めます。そのため、まずは地面の上でフォームを確認してからバランスパッドを使用するようにしましょう。

間違ったフォームでバランスパッドを使用してしまうと、正しいトレーニングができなくなるだけでなく、体勢を大きく崩して怪我をする恐れがあるためです。

安定した地面でフォームを確認した後、バランスパッドを使うようにしましょう。そして、フォームをチェックしながらまずは小さな動きでトレーニングを行い、少しずつ動きを大きくしてください。

飛び跳ねたり強い衝撃を与えたりしない

バランスパッドは、体重をかけることで不安定化させるためのトレーング器具です。それ以外の目的で作られているわけではありません。

そのため、バランスパッドの上で飛び跳ねたり強い衝撃を与えたりしないようにしてください。

たとえば、フロントランジで足を乗せる際に勢いよく踏みつけないようにしましょう。軽く乗せた後ゆっくりと腰を落とすことが大切です。

強い衝撃を与えてしまうと、狙ったトレーニング効果が得られない可能性があります。また、破損する恐れも出てくるため注意してください。

破損したものは使わない

破損したバランスパッドは危険なため、使用しないようにしましょう。破損させないためには、強い衝撃を与えないだけでなく日頃のお手入れも大切です。

まず、バランスパッドに汗がついたら拭き取るようにしましょう。また、汚れた場合は水拭きして日陰で干してください。直射日光を浴びてしまうと材質が劣化する恐れがあるため注意しましょう。

まとめ

バランスパッドを使ったトレーニングメニューや使用する際の注意点について説明してきました。

バランスパッドは、バランス力や体幹の筋力、筋肉と神経の連携の強化など多くの効果が見込めます。そのため、筋力トレーニングの補助やダイエットのサポートだけでなく、各種スポーツの土台づくりにも大いに役立ちます。

ただし、バランスが崩れやすい分フォームには十分に注意しましょう。また、使用する際は間違った使い方をしないようにしてください。

ダイエットや各種スポーツで成長スピードを速めたい人は、ぜひバランスパッドを使ったメニューを日々のトレーニングの中に組み入れることをおすすめします。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。