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ケトルベルとは?効果、使い方、メニューのご紹介

ケトルベルとは

ケトルベルとは鉄球にやかんの取っ手のようなハンドルをつけたトレーニング器具です。大きなハンドルがついているため、片手でも両手でも握りやすいのが特徴です。

ケトルベルとバーベル、ダンベルの違い

ケトルベルは鉄球とハンドルからなる形状から、バーベルなどに比べてコンパクトで取っ手がついているため操作性が高いのも特徴です。このような特徴からダンベルのように片手で扱い、単一の筋肉に効かせるような種目から、両手で扱い、全身を複合的に使ったり、振り回して瞬発的に使う種目まで行うことができます。

ケトルベルとプライオメトリクストレーニング

プライオメトリクストレーニングは一般的なウエイトトレーニングとは異なり、筋肉の反射を使ったトレーニングです。筋肉には引き伸ばされると強く縮む「伸張反射」という反射機能があります。
これによって筋肉が引き伸ばされ続けて断裂することを防いでいます。またこの反射は運動において、筋肉の伸張-収縮をすばやくし、動作を効率化しています。この反射の特性を利用したがプライオメトリクストレーニングです。
反動を使って動作を爆発的に行い、瞬発力を高めるのが主な狙いですが、筋肉の肥大にも有効です。爆発的な動作は素早く行わなければならないことから神経系の強化にも繋がります。神経系の強化とは筋肉への命令を強化すると同意義なのでこれを行うと筋肉量は変わらずともリミッターが外れたように筋の出力が上がります。また[重さ×スピード=パワー]という計算式からもわかるように同じ重さでも素早く動かすと必要とされるパワーは増えることになります。通常ゆっくり筋力トレーニングではかけれない負荷がケトルベルでのプライオメトリクストレーニングではかけることができるので筋肥大と瞬発力強化にも有効です。

ウエイトを使った種目だとスナッチやハイクリーンなど、バーベルを使った重量挙げの種目が一般的ですが、長く重いバーベルを爆発的に動かすのは危険であり、多くのジムではそれらを行う環境はありません。
そこで活躍するのがケトルベルです。両手で扱うことができ、バーベルに比べるとコンパクトで、取っ手がついているため操作性が高いのケトルベルはプライオメトリクストレーニングとの相性が良いです。ケトルベルで安全にプライオメトリクストレーニングを行っていきましょう。

ケトルベルを使ったトレーニングメニュー

ケトルベルスイング

ケトルベルスイングとは両手でケトルベルを持って振り回すプライオメトリクストレーニングです。ケトルベルスイングを行うことで体の後面、特に股関節周りの筋肉が使われ、それらの筋肉の肥大、筋力向上が望めます。さらに体の後面にある筋肉は大きな筋肉が多いので、消費エネルギーの増大、脂肪の減少にも効果的です。

⇒ケトルベルスイングの効果、やり方、注意点

ゴブレットスクワット

ゴブレットスクワットとはダンベルやケトルを胸の前で持ちそのままスクワットを行う種目です。胸の前に持つことでそれを保持しようと胸がはれ体幹強化、姿勢を保とうという力が発揮されます。スクワットのときに背中が丸まってしまう初心者の方におすすめです。ケトルだと持ち手があるのでダンベルと違い落とす危険性が軽減されます。

⇒ゴブレットスクワットの効果、やり方、注意点

スラスター

スラスターとはスクワット動作と垂直方向へのプレスを同時に行うトレーニングです。全身の伸展筋群、さらには上半身と下半身をつなぐ体幹の筋群まで動員される種目であり、エネルギーが最も消費される種目のひとつです。スクワットとプレスをそれぞれ分けて高重量でトレーニングするのも良いですが、スラスターで一気に追い込むのもおすすめです。特に脂肪の減少を目指している方は積極的に取り入れていきましょう。

⇒スラスターの効果、やり方、注意点

ヘイロー

ケトルベルを鉄球が上に来るように両手で持ち、頭の周りを回す種目です。肩や肩甲骨周辺の筋肉が鍛えられ、可動域の拡大も望めます。頭の後ろの辺りでも大きくケトルベルを回していきましょう。一周毎に回転の方向を変えていきましょう。目的にもよりますが、回数としては10~20回、3セット程度行っていきましょう。顔の前で回転を変え、そのタイミングで垂直方向へのプレスも加えるヘイロー+プレスもおすすめです。より肩への刺激が大きくなります。

⇒ヘイローの効果、やり方、注意点

デッドリフト

デッドリフトはトレーニングのBIG3のうちの一つに分類されるポピュラーなトレーニング種目です。主に鍛えるのは背筋やお尻の殿筋群といった体を起こす伸展系の筋肉を鍛えることができます。
通常バーベルを床から持ち上げて起立の姿勢まで保持しもう一度床に下ろす動作です。バーベルだと最低重量が10kg〜20kgになってしまうので筋力に自身のないかたはケトルベルだと細かく重さを設定できるので4kg、6kgくらいから実施することをおすすめします。

⇒デッドリフトの効果、やり方、注意点

ケトルベルを使用する場合の注意点

ケトルベルは通常のトレーニングでもプライオメトリクストレーニングでも有効に使用できます。ケトルベルに関わらずプライオメトリクストレーニングは器具を振り回したりするので周りに障害物のない広いスペースで行ってください。
また、ケトルベルは持ちやすいですが振り回すと自身が体感する負荷は倍増します。持てるだけではなく振り回すことを考えたときはまず軽めの負荷で行うようにしましょう。

まとめ

ケトルベルは非常に操作性が高く、様々な動作を同時に行うことができるため、いろんな箇所の筋肉を同時に鍛えることができます。これにより、パフォーマンスの向上が期待できます。

ボディビルディングとして筋肉をつけるトレーニングは、鍛えたい筋肉を使用しそれ以外の筋肉を使わないようにします。それに対して、ケトルベルは全身を使ってケトルベルを扱うような種目が多いことからカラダ本来に備わっている効率的な動きや日常生活動作の強化を行うことができます。そういった特徴をしっかり使っていただいてトレーニングしていただきたいと思います。

ご紹介した種目以外にも、ケトルベルを使ったトレーニング種目には様々なものがあります。また、ケトルベルを使ったトレーニングは様々な目的にも対応することができます。
瞬発力の向上にも、筋肥大にも、筋持久力の向上にも、脂肪の減少にも、可動域の拡大にもケトルベルひとつでアプローチすることができます。これはケトルベルが操作性と質量の両方を兼ね備えているためです。自由度の高いケトルベルを用いて、手段と目的を一致させながら、トレーニングをより良いものにしていきましょう。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。