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デッドリフトのやり方を徹底解説!注意点やポイントも紹介

デッドリフトとは何か

ウエイトを両手で持ち、背筋を伸ばしたまま前傾することでウエイトを下ろし、そこから立ち上がるようにしてウエイトを引き上げる種目です。腿の裏、お尻、背中まで体の後面が鍛えることができます。スクワットと双璧をなす主要な種目です。

デッドリフトを行うメリット

プロポーションに関して

先述の通り、デッドリフトではハムストリング、大臀筋、脊柱起立筋、広背筋などの体の後面の筋肉が主に使われ、適切に負荷をかけることでそれらの筋肉の肥大が望めます。肥大することでメリハリがつき、美脚や美尻につながります。また、背中の筋力がつくことで姿勢の改善も望めます。 さらにベンチプレス、スクワットと同様の理由で脂肪の減少にもデッドリフトは有効です。デッドリフトで使われる筋肉は大きなものが多く、それらは大きな力を生み出し、多くのエネルギーを消費します。デッドリフトで大きな出力をたくさんして消費エネルギーの量を増やしましょう。脂肪は摂取エネルギーと消費エネルギーの収支のバランスによって増減します。

機能に関して

デッドリフトを行うことで体の後面の筋力を高めることができるので、物を持ち上げたり。持ったまま運んだりする能力が向上します。介護などでも必要とされる筋力です。

バーベルデッドリフトの行い方

動作の範囲

デッドリフトは一般的には床に置いたバーベルを引き上げる種目ですが、ハコジムではパワーラックの中で、ラックの下部にバーベルを当てないように行ってください。これは騒音と器具の破損を防ぐためです。また、バーベルを大きく動かせば動かすほどトレーニング強度は高くなりますが、バーベルを下げれば下げるほど背中が丸くなりやすいので、初心者の方はバーベルを膝の少し下のあたりで下ろすのを止め、引き上げていきましょう。引き上げる際はしっかりと直立するまでバーベルを動かしていきましょう。

グリップについて

グリップはバーベルを上から握るオーバーハンドグリップで行っていきましょう。手幅は肩幅くらいの広さで握っていきましょう。握力が弱い方や、握力の限界を超えて体の後面を鍛えたい方には手の向きを左右それぞれ逆にするオルタネイトグリップというグリップもあります。このグリップだと手から転がり落ちようとする力が打ち消しあうので、必要とされる握力が少なくなります。しかしながら、手の向きが左右対称でないことから、肩などのアライメントが崩れやすいので、基本的にはオーバーハンドグリップで行っていきましょう。

①オーバーハンドグリップ

②オルタネイトグリップ

足幅と膝の向きについてについて

デッドリフトには様々な足幅のスタイルがありますが、基本的には足幅が腰幅と同じくらいになるようにして行っていきましょう。またこのとき膝が内側に入らないようにしましょう。おしりの外側に力を入れ、膝は正面か、またはやや外側に開くようにしていきましょう。

③膝が内側に入っている例

④膝がやや外側に開いている例

体幹を固め、背筋を伸ばす

背中が丸まらないように背筋を伸ばし、お腹を引き込み体幹を固めて行いましょう。この時、背筋を伸ばすことを意識しすぎて背中を反らせ過ぎるのも良くないです。お尻から頭が常に一直線になるようにしていきましょう。背中が丸くなると、腰を痛めてしまいます。

⑤背中が丸まっている例

⑥背筋が伸びており、お尻から頭が一直線になっている例

バーベルを体から離さない

背中を丸めないために、バーベルを体から離さないことが重要です。動きの中心である股関節からバーベルが離れれば離れるほど背中を丸める力は大きくなります。バーベルは常に体(腿やすね)に沿わせるように動かしていきましょう。これはデッドリフト動作の反復中だけでなく、セットアップ時やラックにバーベルを戻すときも意識していきましょう。

⑦バーベルが体から離れ、背中が丸くなる例

⑧バーベルを体に沿わせ、背中を一直線に保っている例

目線は遠くに

目線が下に向きすぎると背中が丸まりやすくなります。足元を見るのではなく、少し遠くを見るようにしてデッドリフトを行っていきましょう。

⑨目線が下がり背中が丸まっている例

⑩遠くを見るように目線を上げ、背中を一直線に保っている例

スクワットとは異なる

背筋のコントロールができた上で、陥りやすい間違いとして、スクワットのように膝関節の働きが大きくなることが上げられます。膝関節は上体を前傾させやすいように少し曲げておく必要がありますが、スクワットのように大きく曲げる必要はありません。膝関節を大きく曲げすぎると、ターゲットである体の後面の筋肉の働きが少なくなってしまいます。この間違いの修正にはバーベルの軌道の確認が有効です。正しいデッドリフトではバーベルの軌道は足の中心を通る垂線と一致します。一方、スクワット型のデッドリフトでは膝が前に出ているため、膝を通過する際、バーベルが前方に流れる軌道になります。垂直な軌道で反復していきましょう。

⑪スクワット型のデッドリフトのバーベルの軌道

⑫正しいデッドリフトのバーベルの軌道

バーベルパーシャル(トップサイド )デッドリフトの行い方

バーベルを持った状態で背筋を伸ばし、上体を前傾させるのが難しい方は、バーベルを膝の高さにセットし、バーベルの近くに立ち、そこから股関節と膝関節を曲げてバーベルを持ち、立ちあがるパーシャルデッドリフトから練習していきましょう。安全に股関節を折りたたむ動きを覚えていきましょう。

⑬バーベルの近くに立つ

⑭背筋を伸ばしたまま股関節を折りたたんでバーベルを持ち、立ち上がる

まとめ

デッドリフトは腰を痛めるリスクもありますが、正しく行えると得るものも大きい種目です。背筋のコントロールは多くの種目で必要とされます。デッドリフトで体力的にも技術的にも基礎を固めていきましょう。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。