今回は、腰痛解消の効果があるストレッチポールの使い方についてご紹介していきます。
肩周りのコンディショニングに関する記事とあわせて、ぜひチェックしてみてください。
→ストレッチポールについて、肩周りのストレッチ方法についてはこちら
ストレッチポールとは円柱状のポールのことで、上に寝転がるとだいたいお尻から頭までの長さがあります。
ストレッチポールの上に寝ることで、体の芯である脊柱(背骨―骨盤)が安定し、普段座ったり立ったりしているときに使っている脊柱に付着する筋をリラックスさせることができます。
このリラックスした状態で動くことで、より深層のインナーマッスルにも刺激を与えほぐしたり、調整したりすることが可能となります。
腰痛は大きく分けると、「朝起きるとき固まっていて痛い」「夕方仕事終わりに疲れてきて痛い」「その両方」があげられます。
朝固まって痛い方は、夜中寝返りなど打っておらず同じ姿勢で寝ていることで疲労が蓄積していると思います。
逆にいうと、就寝中寝返りが打てない状態は、腰・股関節などの柔軟性がないと言えます。
また、一日の後半で疲れが溜まって痛い方は、疲れを腰に貯めてしまっている状態です。
体の他の部位に疲れを分散できていないため、腰・股関節の動きが悪い、筋緊張がアンバランスと言えます。
今回のストレッチで前者は柔軟性があがり、後者は筋のバランスを整えることができます。
骨盤・股関節周りのストレッチを行うことで、腰痛改善効果が期待できます。
ストレッチポールを使用しないストレッチの場合は、座った姿勢(座位)や立った姿勢(立位)で行うことが多くなると思いますが、これでは体重がかかっているため完全にリラックスが出来ません。
その点ストレッチポール上に寝転んで(臥位)行うと、重力や体重の影響を受けないため、座位や立位では緩めることが難しい、筋肉の緊張をほぐすことができます。
また、今回のストレッチは若干動きが入っています。
臥位での重力・体重の影響がない状態で股関節を動かすことにより、普段弱体化してしまいやすい股関節のインナーマッスルを刺激できることも、このストレッチをおすすめする理由の一つです。
腰痛を予防、改善するために効果的なストレッチポールの使い方についてご紹介していきます。
簡単にできるものばかりですので、ぜひ取り入れてみましょう。
【実施時間】
30〜60秒程度行います。
まずは、股関節のストレッチです。足の裏と裏を合わせ、膝を外に開きます。
全身の力を抜き、楽な呼吸を繰り返しましょう。
股関節を伸ばした状態で余裕があれば、足の位置をおしりに近づけてみましょう。
さらに余裕のある方は、足の裏と裏の間にこぶし一つ分のスペースを開けていきます。
ある程度伸ばしたら、一度膝を立てて、そこから膝を開いたり閉じたりします。
ストレッチの後に、このような動きを入れることも効果的です。
【実施時間】
30〜60秒程度行います。
両足をゆっくり伸ばし、その状態からつま先を立てて外に倒します。
次に、つま先を内側に倒します。
外、内とつま先の向きを交互に動かしていきましょう。
この時に、つま先やひざだけの動きではなくて、腿の付け根から動かすことを意識することがポイントです。
この動きによって、股関節周りの筋肉のバランスを整えることができます。
なお、無理に大きな動きを行う必要はありませんので、なるべく楽な範囲で動作を行ってください。
梨状筋は普段股関節を外旋、外にねじる働きをする筋肉です。
梨状筋のストレッチも腰痛対策には効果的です。
【実施時間】
それぞれ30〜60秒程度行います。
両足を肩幅より広めに開き、両膝を内側に倒します。
この時、膝の角度が90度になるよう意識しましょう。
なお、ひざに痛みのある方は行わないでください。
梨状筋にある程度ストレッチを掛けた後、一度膝を立てて片膝ずつ内側に倒していきます。
無理に膝を倒してしまうと、膝や股関節を痛める恐れがありますので、なるべく楽な範囲で行っていきましょう。
【実施時間】
30〜60秒程度行います。
膝を曲げて、膝が床から少し距離があくようにしていきましょう。
余裕がある方は膝を床に近づけます。
このときに腰が反らないように注意しましょう。
腰が反るようであれば、膝を床から離して調整してください。
腰の痛みのない方であれば、このように反対側の足を伸ばして頂いても構いません。
ストレッチを行う際は、呼吸がポイントとなります。
息を止めて行うと筋肉が緩みにくくなってしまうため、リラックスした状態で自然な呼吸を心がけましょう。
また、動画・画像では、シューズを履いたままストレッチを行っていますが、足首が窮屈な方はシューズを脱いで行ってください。
腰痛解消に効果的なストレッチポールの使い方について、ご紹介していきました。
先述したように、人間は重力・体重の影響を常に受けており、下半身に負担が集中します。
日頃の酷使によってこの下半身のアライメント(構造)が乱れると、腰痛、さらには肩こりや頭痛も関連していきます。
腰痛をはじめ全身の不調を緩和させるためにも、日頃酷使している下半身をケアしてあげることが重要です。
ストレッチポールを活用し、腰痛の予防、改善につなげていきましょう。
ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。