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バーベルとは?トレーニングで鍛えられる筋肉や重量の決め方を解説!

フリーウエイトトレーニングでは、バーベルを使ったワークアウトは欠かせません。しかし、バーベルを使うとどのようなメリットがあるのか、またどの程度の重量に設定すればよいかなど、わからない人も少なくないでしょう。そこでここでは、バーベルの種類やバーベルを使うメリット、鍛えられる筋肉などについて解説していきます。

バーベルの種類やダンベルとの違い

ベンチプレスやスクワットで使われるバーベル。そのバーベルにはどんな種類があるのか、またダンベルとはどのような違いがあるのか見ていきましょう。

バーベルとは?

バーベルとは、鉄の棒(シャフト)の両端に円盤形のおもり(プレート)をつけたもので、ウエイトトレーニングやパワーリフティングなどで用いられるトレーニング器具です。プレートには、一般的には1.75kg、2.5kg、5kg、10kg、15kg、20kg、25kgなど、様々な重量があります。トレーニングの際は、このプレートを着脱して、目的に応じたウエイトに調整します。

バーベルの種類

バーベルには様々な種類がありますが、大きく分けるとシャフトが真っ直ぐなタイプと湾曲(カーブ・曲がった)したタイプがあります。

シャフトが真っ直ぐなストレートバー

シャフトが真っ直ぐなタイプのバーベルは「ストレートバー」と呼ばれます。多くの人が、バーベルと言えばこのストレートバーを思い浮かべるでしょう。

フリーウエイトを取り扱っているジムのほとんどで、このストレートバーは使用されています。また、ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなど、多くのトレーニング種目で使用されるのが特徴です。

シャフトが湾曲しているEZバー(Wバー)

一方、シャフトが湾曲したタイプには「EZバー」や「Wバー」があります。グリップ部分に角度がついているため、手首が固くストレートバーでは持つことが難しい人でも、手になじむため自然に持つことができ、手首などの関節部分に過度な負担がかかりにくい特徴があります。ただし、バーベルカールのような比較的重量の軽いトレーニング種目での使用に限定されるため、用途は広くありません。

その他のバーベル

バーベルには、その他にも特殊な種類のものがあります。たとえば、主に上腕三頭筋のトレーニングを行うための「トライセプスバー」や、ベンチプレスなどで可動域を広くとることができる「キャンバードバー」などです。ただし、一般的なジムに置いていないことが多く用途が限定されることから、中級者以上向きの器具と言えるでしょう。

バーベルとダンベルの違い

バーベルは両手で扱うものですが、ダンベルは左右がそれぞれ独立しています。バーベルはシャフト自体に重量があるため、自宅ではなくジムでのトレーニングに使用するケースがほとんどでしょう。一方、ダンベルは1kg未満のものから揃っているため、自宅でのダイエットエクササイズなどで使用している人も少なくありません。

また、バーベルとダンベルは同じフリーウエイトですが、トレーニング種目によって向き不向きがあります。たとえば、同じ大胸筋を狙ったベンチプレスの場合、高重量を扱う場合はバーベルを、可動域を広げたい場合はダンベルを使用するなどします。そのため、それぞれのメリットとデメリットを理解し、目的に合ったほうを使用することが大切です。

バーベルトレーニングのメリットや鍛えられる部位

次に、バーベルトレーニングのメリットやトレーニング種目、重量の目安を決める方法について説明します。

バーベルを使うメリット

多くのトレーニング器具がある中で、バーベルを使う理由は大きなメリットがあるためです。そのメリットには、高重量を取り扱えること、軌道が安定すること、そしてより多くの筋肉を鍛えられることがあります。

高重量を取り扱える

バーベルはダンベルと違い、両手で扱うことができ、安定しています。そのため、高重量のトレーニングが可能です。一般的なバーベルトレーニングでも、大胸筋や大腿四頭筋などのように、大きな筋肉を狙った種目に適した器具でしょう。

軌道が安定する

ダンベルよりも軌道が安定することもバーベルトレーニングのメリットです。シャフトを両手で扱うため、一定の軌道でトレーニングができます。そのため、筋トレ初心者からより高重量を狙う上級者まで、幅広く使用することができるでしょう。

一度に多くの筋肉を鍛えられる

これはバーベル以外のフリーウエイトにも言えることですが、高重量のバーベルトレーニングでは、狙った筋肉以外の筋肉も動員するメリットがあります。たとえばバーベルスクワットの場合、主に鍛える部位は太ももの前部にある大腿四頭筋です。しかし、より高重量のスクワットを安定して行う場合、大殿筋やハムストリングス、脊柱起立筋や体幹筋(コアマッスル、いわゆる「腹筋」呼ばれる筋肉)なども同時に使われます。そのため、1つの種目で複数の筋肉を鍛えることができるでしょう。

以上がバーベルのメリットですが、デメリットがあることも知っておく必要があります。可動域が広く取れないこと、そしてマシンやダンベルよりもケガのリスクが高いことです。

バーベルを使うデメリット

可動域が広く取れない

バーベルは両手で取り扱うため、ダンベルに比べどうしても可動域は限定されてしまいます。その対策として、バッファローバーやキャンバードバーのように、湾曲したタイプのバーベルを使用することが挙げられるでしょう。しかし特殊な器具のため、置いているジムは少ないです。そのため、可動域を意識するならばダンベルトレーニングに切り替える方法がよいでしょう。

高重量でケガのリスクが高い

バーベルトレーニングは高重量を取り扱える分、筋力以上の重量を設定しがちです。そうすると、フォームが崩れたり関節への負担が大きくなりすぎたりして、筋肉や関節を痛めてしまう恐れがあります。そのため、適切なフォームや重量設定をする必要があります。

まず、軽い重さやシャフト(バー)のみでフォームを固め1~3カ月かけて徐々に重さを上げていきましょう。

バーベルを使ったトレーニング種目と鍛えられる筋肉

バーベルを使ったトレーニング種目には、部位別に次のようなものがあります。あわせて、種目別に鍛えられる筋肉の名称も説明します。

ベンチプレス(大胸筋、上腕三頭筋、三角筋)
バーベルプルオーバー(大胸筋、広背筋)

背中

デッドリフト(脊柱起立筋、大殿筋)
ベントオーバーローイング(広背筋、僧帽筋、上腕二頭筋、三角筋)
バックエクステンション(脊柱起立筋、大臀筋)

脚、尻

フルスクワット(大腿四頭筋、大腿二頭筋、脊柱起立筋、大臀筋)
フロントスクワット(大腿四頭筋、大臀筋)
ハックリフト(大腿四頭筋、大臀筋)
ランジ(大腿四頭筋、大臀筋)
カーフレイズ(下腿三頭筋)
ヒップスラスト(大臀筋)

バーベルカール(上腕二頭筋、前腕部)
プリーチャーカール(上腕二頭筋、前腕部)
ナローグリップベンチプレス(上腕三頭筋、大胸筋)
フレンチプレス(上腕三頭筋)
トライセプスエクステンション(上腕三頭筋)
リストカール(前腕部)

ショルダープレス(三角筋、僧帽筋、上腕三頭筋)
フロントレイズ(三角筋、僧帽筋)
アップライトローイング(三角筋、僧帽筋、上腕二頭筋)
シュラッグ(僧帽筋)

グリップの位置や持ち方、足幅、可動域などを変えることで、トレーニングの幅を広げることができます。また、トレーニング種目によっては、より細かい筋肉を動員することもあります。

重量の目安を決める方法

バーベルトレーニングでは、トレーニング目的に応じた重量を設定する必要があります。そうしなければ、狙った刺激が得られず、結果的にトレーニング効果が落ちてしまうためです。ただし、初心者と経験者では神経系や筋力の発達に差があるため、重量を決める際には注意が必要です。

初心者の場合

筋トレ初心者の場合は、筋力が鍛えられていない状態です。そのため、まずはプレートを装着せずにシャフトだけでトレーニングしてみましょう。

たとえば、オリンピックバーと呼ばれるストレートバーは、シャフトだけで20kgあります。実際にバーベルを持ってみて重さを感じるとともに、正確なフォームや狙った部位に効いているか確認してください。複数のバーベルを使用できる場合は、それぞれの感触を確かめることも大切です。

神経系がある程度鍛えられたら、徐々にウエイトを増やしてみましょう。初心者は、ケガ防止のためにも最初から高重量を取り扱わないことが大切です。

経験者の場合

筋トレ中級者以上は、目的に応じた重量を設定しましょう。

ダイエット目的のエクササイズは、軽い重量に設定して反復回数を多くすることが大切です。

筋肥大目的の方は比較的高重量に設定し、8~12回(10回前後)を目安として反復することを推奨します。そのためにも自分の最大挙上重量(1RM)を知っておくと、効果的なトレーニングができるでしょう。

最大挙上重量(1RM:1 Repetition Maximum)とは、1回だけしか持ち上げられない重量のことを言います。ただし、1回の挙上で最大重量を知ることは、正確性に欠けるだけでなくケガを負いかねません。そのため、最大挙上重量は最高反復回数をもとに計算することをおすすめします。

たとえば、最高反復回数が5回の場合、扱った重量は1RMの87%です。ベンチプレスで100kgで5回挙上できる場合は、100kgを0.87で割った約115kgが最大挙上重量と計算できます。同じように、最高反復回数が10回の場合は1RMの75%、15回では65%となります。

このような計算ができると、ピラミッド法やパートナーがいる場合のフォーストレップ法、トレーニングに変化をつけたい場合など、様々なトレーニングで応用できるでしょう。

なお、トレーニングのタイミングによって計算結果が変わることにも注意しなければいけません。たとえば、スポーツの後などは筋力が低下していることがあります。その場合、これまでの計算結果よりも軽めの重量でトレーニングすることが、筋力アップだけでなくケガ防止にもつながります。
(スポーツトレーナーが指導している「これが正しい筋力トレーニングだ!」参照)

まとめ

バーベルの種類やダンベルとの違い、バーベルトレーニングの種目や鍛えられる部位などについて解説してきました。

バーベルは両手で持つ特性上、高重量を取り扱うことができ、ダンベルよりも軌道を安定させることができます。また、最大挙上重量を知っておくと、様々なバーベルトレーニングで目的に応じた負荷をかけることができるでしょう。

ただし、高重量を取り扱える分、ケガのリスクもあるため、できるだけトレーナーの指導のもとにトレーニングを行うことをおすすめします。ぜひ、正確なフォームと最適な重量でバーベルトレーニングを行い、理想の体を手に入れてください。

この記事の監修者

小津間勇二

ハコジム エグゼクティブトレーナー。パーソナルトレーナー養成校HUB校長。国家資格 柔道整復師。後進のトレーナーを教育する傍ら、自らも現場に立ち指導に取り組んでいる。